赤羽台団地はなかなか不思議な雰囲気の場所で、赤羽駅西口から坂を登ってしばらく歩くと、なんだか昭和に取り残されたみたいな団地群に迷い込む。なんでも60年ほど前に、東京23区初の大規模団地として造成されたらしい。

ところがその辺をうろうろしていると、突然今度は未来都市みたいな光景にぶつかる。老朽化した団地を取り壊して、新しく大型マンションに建て換えられている最中だからだ。キラキラ光る新築のマンションから出て来た子供たちが、くすんだ色の、でもなんか懐しい感じの団地群を駈け抜けて、かつての未来と今の日常をいったりきたりしている。

残っている団地群も向こう数年で全て建て換えるらしい。それまでは、この不思議な空間が時が止まったまま静かに消えるのを待ってるのかなーと思うとなんだか妙な気分になったりもする。